ラベンダーの開花後の剪定

ラベンダーは剪定が大事です

ハーブの女王とも呼ばれるラベンダー、一度は育ててみたいものです。一方で育てるのが難しいというイメージが強いという一面もあります。でも、コツさえ掴めばそれほど栽培は困難ではありません。まずは水はけと風通しと日当り、そして、今回ご紹介する剪定です。

せっかく花が咲いても、剪定をきちんとするかしないかでその後の成長も違います。剪定せずに放って置くと、弱りやすく、また最悪枯れてしまうこともあります。剪定の方法をきちんと理解しておけばラベンダーを育てることもずいぶん楽になるでしょう。

どうして剪定するの?

ラベンダー(特にコモンラベンダーと呼ばれる、香りの良いラベンダー)が苦手とするものは、蒸れ、風通しの悪さ、暑さです。日本ですと、梅雨から夏はラベンダーにとってはとても辛い時期です。その時期に開花することはなおさらラベンダーに負担をかけます。まして、花を咲かせたままにすることはなおさら負担です。そのため、花の後は花を剪定してラベンダーの負担を減らし、枝も少し減らすことで、風通しよく、涼しく日本の夏を過ごしてもらいましょう。

できれば、花が咲いている時に、きちんと収穫を行い、その後剪定を行うとなお良いでしょう。詳しい収穫の方法は、ラベンダーの収穫をご覧ください。

花の後のラベンダー

はなもいわ

開花がほぼ終ったラベンダー「はなもいわ」です。優しい雰囲気の種類ですが、北海道系のラベンダーの中でも、葉がフワフワとしていて過湿にやや弱い種類でもあります。

上でも述べたように、一番良いのは花がまだ終らないうちにきちんと収穫してドライフラワー等にして楽しむことです。でも、せっかく咲いている花、ついそのままで楽しみたくて摘み取りが後回しになってしまいがちです。開花が梅雨の時期とも重なり、収穫のタイミングを逃してしまうこともよくあります。

この株も、花が終るまで咲かしてしまった状態です。このまま梅雨末期、そして夏を向かえさせるのはあまりにかわいそうです。

剪定の方法

花茎を剪定する

剪定は大きく分けて二つポイントがあります。一つは花(花茎)を剪定すること。もう一つは風通しを良くするため枝を剪定することです。

まずは花(花茎)の剪定です。時間がない時はとりあえずこれだけでもしておくと相当違います。とにかく終った花を、伸びた茎ごと剪定しましょう。「めんどくさーい」と言う人はとにかく花だけでもチョンチョンと落としておきましょう。花がぽろぽろ落ちるまで放っておくよりは良いです。

花茎を剪定する 丁寧な剪定

もし、きちんと剪定するならポイントは花茎の下、新芽(矢印)ができ始めている少し上で切りましょう。丁寧な剪定は初め根気がいりますが、慣れてくると良い香りに包まれて鼻歌まじりでできるようになります。

枝の剪定

地際の枝

せっかく花の剪定をしましたから、通風をよくするために枝の剪定も行いましょう。

まず、地面にぴったりとついているような枝を剪定しましょう。もしあなたが育てている場所が、とても涼しい地域だったり、ものすごく風当たりが強い場所なら、この作業は不要かもしれません。でも、暑い地域や、下のほうの葉が枯れやすい場所ならば是非しておくと良いでしょう。また、土が細かく、雨が降ると泥跳ねがしやすい場所でもぜひ行っておきたい作業です。

地際の枝を剪定

地面についているような枝を株元に近いところから剪定しました。株元の風通しが良くなります。

地際の枝を剪定

上から見るとこんな感じ。ちょっと分かりにくいですが、真横から見ると、「盃型」といえば分かりやすいでしょうか、逆三角形のような形になります。

枝すかし

次に、込み入った枝を減らします。「枝すかし」とか、「枝抜き」とも言われますが、なるべく古い枝を減らしましょう。株元近くから剪定します。目安はとにかく、「涼しそうに見える」ことです。株元近くから小さな新芽が出ているのなら、これが残っていれば大丈夫です。思い切って剪定してみましょう。

枝すかし

どうでしょう、ずいぶんサッパリしたと思いませんか?基本的にはこれで夏を乗り越えやすくなります。

ラベンダーの剪定方法は地域や、栽培方法によってもいろいろなやり方がありますし、時期も違います。この時期にもっとばっさり株元まで切り詰める方法もありますが、初心者の場合は秋になってからがよいかもしれません。

また、お住まいの地域で、上手に育てている人があれば「ラベンダーを上手に育てていらっしゃいますね!、剪定はどうするとこんなにうまく育つんですか?」と、是非コツを尋ねてみましょう。多くの人に愛されるラベンダー、どの地域にも必ず「ラベンダーマニア」が一人や二人いらっしゃるはずです。その地域ならではのノウハウを教えてもらいましょう。

ラバンディン系の場合

ここまではイングリッシュ系(コモン系)ラベンダーで説明してきましたが、グロッソラベンダーやインプレスパープルラベンダーなど、ラバンディン系の場合も基本は同じです。

インプレスパープルラベンダー

これは、実店舗グリーンノートの西側の花壇の端に植えているインプレスパープルラベンダーです。植えて5年ぐらいの株になり、一株から300本を越える花茎がつくようになりました。今年も花の様子を見ながら少しずつ収穫して行きましたが、そろそろピークも過ぎ、花茎の数も寂しくなってきましたので、思い切って収穫、剪定する事にしました。

インプレスパープルラベンダー インプレスパープルラベンダーの収穫

ラベンダーの収穫で説明している通り、とりあえず収穫しやすい新芽の上で、全体の花茎を収穫します。

インプレスパープルラベンダーの収穫後

収穫し終わるとこのような感じになります。でも、下のほうを見ると枯れている枝があったり、込み入っている枝も見つかります。これから夏を向かえますので、なるべく風通しよくするため、古い枝を中心に減らして行きます。

インプレスパープルラベンダーの再剪定

もう一度剪定したらこんな感じになります。

ただ、このレベルの剪定では毎年徐々に大きくなって行きます。あまり大きく育てると、花茎の数は増えますが、一本あたりのボリュームが小さくなってしまいます。そのため、ある程度の数に花茎を押さえるための剪定を毎年秋から冬の初めに行っています。

インプレスパープルラベンダーの強剪定後

昨秋の剪定時の写真がありませんが、今年春、4月の時点の様子が上の写真です。ずいぶん強く剪定している感じを受けるかもしれません。夏前にここまで剪定するのはお薦めできませんので、もし行うならば、秋遅くか春早いうちに強く剪定すると良いでしょう。

インプレスパープルラベンダーの強剪定後の新芽

四月初めの時点でこのような新芽が出て、その後一気に成長して6月には上のような花を咲かせてくれます。

株元マルチ(おまけ)

株元マルチ

梅雨時期から、夏、秋の長雨まで気を付けたいのが、強い雨による泥跳ね。泥が株元近くの葉にこびりつくと、枯れる原因になりやすいです。株元マルチで泥跳ねを防ぐと尚良いでしょう。当店では、資材が入って来た麻袋を株元に敷いていますが、わらや、荒めのバークチップ、ココナッツチップなど、手に入りやすいものを株元に敷いてみましょう。


いかがでしたでしょうか。もし、まだ良く分からないことがあるという方のためには初心者の方専用ホットラインをご準備いたしております。ご質問等お気軽にお寄せください。

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