目次
- 上手に質問をしてよりよい回答を得るために
- 悪い質問の例
- 良い質問の例
- 質問をいただく前に
- 上手な質問のための必須ポイント
- その他のポイント
- 電話で質問をいただくときには
- こういう質問には答えられません
- まとめ
上手に質問をしてよりよい回答を得るために
当店には日々たくさんの質問が寄せられます。スムーズに答えられる質問もあれば、頭をひねりつつ答えなくてはいけない質問もあります。
上手に質問をしていただければ原因も見つけやすく、対策方法も的確にアドバイスできます。
ところが、次のような質問では、何度もメッセージを往復させないと原因も解決策も明らかになりません。
悪い質問の例
「前に苗を買いまして、育てているんですけど、黒い虫に、ハーブの葉っぱを食べられて困ってますので、防除の仕方、教えてください。」 br> (?県 N様)
多分、質問者ご自身では現在の状況はよく把握なさってると思いますが、自分がわかっていることでも相手に伝わらなければ回答につながりません。
まず、なんの種類かわかりません。実はこの方の場合、当店でご購入いただいたものではなかったようで、ご注文履歴もなく、種類や植えた時期もわかりませんでした。地域もわからないと、場合によっては正確に答えられないこともあります。また、地植え、鉢植え、など環境によっても回答は異なってきます。
また、「黒い虫」とだけお伝えいただいても、黒い虫はたくさんいます。せめて、虫のサイズとか、少しでも特徴がないと判断できません。葉っぱを食べられているのも、葉の縁が食べられているのか、小さい穴を開けるように食べているのかでもずいぶん違います。
良い質問の例
上の質問も次のように変えれば回答する側もずいぶん判断しやすくなります。
「昨年の秋、そちらでイタリアンパセリの苗を購入した神奈川県のNです。鉢植えで、オリジナルハーブ用土を使ってベランダで育てていますが、6月ぐらいから2センチぐらいの芋虫のような黒い虫を時々見かけるようになりました。どうやら葉を食べているようで縁の方からどんどんかじられています。だんだん葉が減ってきて心配ですがどのように対応したら良いのでしょうか」
という感じならば、原因の虫が何であるか、どのように対応すれば良いか、適切にアドバイスでき、解決につながります。
このページではどうすれば上手に質問をして適切な回答が得られるかを考えていきたいと思います。これはハーブの初心者かどうかはあまり関係のない内容ですので、【番外編】として掲載いたします。
質問をいただく前に
「すぐに知りたい」と言う気持ちは大事です。でも、案外同じような疑問を持つ方は多いものです。質問をいただく前に同じような質問がないか調べてみましょう。
同じような質問とその回答の中には大きなヒントや、知らなかったノウハウが隠れているものです。直接質問して返ってきた回答には含まれないアイディアも見つかるかもしれません。
Q&Aや初心者講座も読んでみましょう
Q&Aのページには比較的よく寄せられる質問がまとめてあります。
また、定植や剪定、挿し木、種まきなど基本的な作業については「初心者のためのハーブ講座」で紹介しています。ぜひご一読ください。
近くの人にも聞いてみましょう。
「遠くのプロよりも近くの経験者」と言う言葉があります。その地域での育て方や気候を知っている地元の方の意見をうかがってみるのはとても有効です。もちろん、このページで紹介しているポイントを踏まえて説明するとよい答えが返ってくると思います。
上手な質問のための必須ポイント
質問は、なるべく詳しく伝えていただくと何度もメールを行き来しなくても解決します。特に、下記のような情報があると解決への大きなヒントとなります。
ハーブの種類は何ですか?
ハーブの種類はとても大事な情報です。それがわからないと答えようがない場合があります。ラベンダーなのか、ローズマリーなのか、それともセイジなのかぐらいのざっとした種類でいいですので必ずお伝えください。
お住まいの地域はどこですか?
お住いの地域についての情報はとても大事です。さらに、同じ都道府県でも、海岸部と山間部ではずいぶん環境が違います。ぜひお住いの地域についてお伝えください。
育て方や環境は?
地植えで育てているか、鉢植えで育てているかも生育に大きな差があります。お庭なのか、ベランダ栽培、畑か、日当たりや風通しについてもお伝えください。もしわかるようなら、鉢植えならば使っている土の種類(市販の花の土、腐葉土や赤玉土を自分で混ぜているetc.)や、地植えならば赤土だとか、雨が降った後の水はけなどもわかると判断の助けになります。
いつから育てていますか?
同じ種類のハーブでも、秋から植えた場合と春から植えた場合では育ち方や成長具合が違います。おおよそいつぐらいから育て始めたのかは、とても大事な情報です。
また、畑やお庭では、全く初めて育てる場合と、それまで何か植わっていた場所ではずいぶん違います。前作がなんだったかがわかると原因の解明につながることがあります。
当店でお買い上げの苗を育てていらっしゃる場合は、その旨お伝えください。土についても当店の土(オリジナルハーブ用土)や、栽培初心者向けハーブ鉢植えセットを使っておられる場合はなおさら回答しやすいことが多いです。
ほかに育てている植物やよく育つ種類、うまく育たない種類がありますか?
特に、何かすでに育てたことがある場合は、「○○はよく育つけれど、△△はうまく育たない」などの情報は問題解決にとても役に立ちます。
また、ご自身の園芸への取り組み具合、例えばハーブに限らず、「野菜は結構育てたことがある」とか、「バラなら何種類も持っている」というように伝えていただけると、よりわかりやすくお答えすることができます。
そのほか、うまく育たないような場合、それが何度か試しても同じ結果なのかどうかもお伝えください。初めて育ててうまくいかない場合は、たまたま育たなかったということもよくあります。同じような条件でも再度チャレンジしてみたら思いの外よく育ったことを我々もよく経験しています。
その他のポイント
写真を活用しましょう
百聞は一見に如かず。写真を活用しましょう。特に病気なのか害虫が原因なのかわかりにくいなど、言葉で細かく伝えるよりも一枚の写真を見せてもらったほうがわかりやすいことは多いものです。メールに添付してお送り下さい。写真をお送りいただく時は周囲の環境もわかるようにしていただくと問題解決につながりやすいです。また、異変が始まった頃の写真があるととても参考になります。
出典・引用元もお願いします
「鉢植えのローズマリーは移植が難しいとネットで見たのですが」
→ローズマリーのサイズや環境によってはそういうこともありますが、一概には言えません。文脈がわからないと、書かれている意図がわからないことがあります。引用元についてもお伝えいただくと適切なお答えができます。
メールの受信許可設定をしましょう。
せっかくお問い合わせいただいて、お返事をしても受信拒否エラーでメールが返ってきてしまうことがあります。下記ページを参考に、当店からのメールの受信許可設定をお願いします。
メール、フォーム、FAXなど実際のお問い合わせ方法
メール、フォーム、FAXなど、具体的なお問い合わせ方法は、お問い合わせ方法のページをご覧ください。
電話で質問をいただくときには
基本的には、メールでのご質問の方が写真の添付ができたり、時間の制約もないのでお勧めですが、初心者の方は、そもそもどう質問したらよいかわからないこともあるかもしれません。また、質問の種類によっては対話で解決した方が良い質問や、文章にまとめにくい場合もあるかもしれません。必要なら電話も活用しましょう。
電話での質問の前にしらべておきましょう
電話で質問をいただくときに、こちらからよくお尋ねするいくつかのことがあります。あらかじめ調べておいていただくと回答がスムーズに行えます。
もちろん、このページのほかのポイントも踏まえていただくとなお良いでしょう。
- 【おおよその気温】・・・夏や冬の最高、最低気温、夏はどのぐらい熱帯夜になるか。おおよそで構いません
- 【鉢植えの場合は鉢のサイズ】・・・直径や、プランターの幅や高さなど
- 【植えた時期と、現在の大きさ】・・・去年の春とか、高さ30センチぐらい、といった程度で構いません
こういう質問には答えられません
漠然とした質問
以下のような質問はお伝えいただいた情報が少ないため、もし質問に答えたら、とても無責任な回答になってしまいます。超能力者であれば答えられるかもしれませんが。
(例1)「ハーブを育てたいのですが何かお勧めをおしえてください」
→せめて目的(食用、ハーブティー、観賞用)や、「とにかく初心者でも失敗の少ないものが希望」とか、「鉢植えでベランダで育てたい」などの希望、植える予定の環境についてお伝えいただくとまだしかるべき回答ができます。
(例2)「ローズマリーがうまく育ちません。なぜでしょうか」
→うまく育たない理由・・・おそらく細かく調べれば何十、何百とあると思います。それらの原因が組み合わさった結果うまく育たなかったのかもしれません。少なくとも、上記のポイントを踏まえた上で質問してみてください。
質問する相手が適当でない質問
(例1)「春菊10株が元気でぎゅーぎゅー状態に思えます。何か可哀想に思えるのですが。アドバイスを」
→野菜専門のお店に聞いてみましょう。ぎゅーぎゅーなら間引くなり、植え替えるなりが必要とは思いますが。いずれにしても育てていないので責任あるお答えができません。
(例2)「ローズマリーを使ったお料理のレシピを教えてください」
→クックパッドをはじめ、ネットには無数のレシピが掲載されています。
農薬についての質問
「ハーブに使える農薬を教えて欲しいです。アブラムシ、ハダニ対策です。」
→当店は無農薬で育てておりますため、そもそも農薬についての知識・経験がございません。
また、これはお客様の健康に関わることですので、「おそらく大丈夫でしょう」というような無責任なお答えもするべきではないと考えております。お聞きいただいても回答できかねます。
あわせて、農薬や防虫剤を使った後の安全性や利用につきましては販売店または、メーカーにお問い合わせいただくのが確実です。
比較検討ができない質問
「近所の園芸店で買った『○○ラベンダー』の花が御社の花とは違うんですが」
→同じものを並べて検討できないので答えられません。
可能性や効果に関する質問
「ラベンダーを植えようと思いますが、今年の初夏に咲くでしょうか?」とか、「ローズマリーの花は何年目から咲きますか」、「○○は冬越しできるでしょうか」
→ハーブは生き物ですので「○○する可能性があるかないか」という質問には正しい答えはありません。正直なところ、「やってみないとわからない」というのが正解です。「おそらく、咲くかもしれない」「多分冬越しは難しいでしょう」程度の回答は可能ですし、そうお答えすることがほとんどです。
また、「レモンバームのハーブティーを飲むとリラックスできるのでしょうか」、「レモングラスを植えていると猫が寄ってこなくなるでしょうか」というような効能に関する質問も、「そういう成分が含まれているようです」という答えしか返すことができません。
まとめ
お寄せいただいた質問に答えるのはAIではなく、人間です。本当に困っていらっしゃる、本当に回答を必要としていらっしゃると感じる質問にはより親身になって答えたくなるものです。
他の方にとっても参考になると思われるご質問は、Q&Aのページで紹介させていただいております。この際にも、質問自体がわかりやすいと、拝見される方にも有益な情報になります。
上手な質問をすれば適切な回答が導き出せます。引き出せるはずの回答が引き出せないのはもったいないことです。ぜひこのページを参考にして役立ててください。
もちろん、当店に質問をお寄せいただくときだけでなく、他の方に質問するときもお試しください。よいアドバイスが期待できることでしょう。
いかがでしたでしょうか。もし、まだ良く分からないことがあるという方のためには初心者の方専用ホットラインをご準備いたしております。ご質問等お気軽にお寄せください。