鉢のサイズの選び方

最適な鉢の大きさは?

長くハーブを育てて来た私たちでも、初めて育てるハーブを植える時にはどれぐらいの鉢を使ったらいいか結構迷うものです。

初めてハーブを育てるという方は、なおさらどうしたら良いか困ることでしょう。鉢のサイズ選びは、私たちが靴のサイズを選ぶと同じぐらい大事です。最適な鉢のサイズについて少し考えてみましょう。

サイズによるメリットとデメリット

まず、大きい鉢、小さい鉢、それぞれのメリット・デメリットから見てみましょう。

大きい鉢

メリット
○ 根が張る容積が大きいので、大きく育ちやすいです。また、根詰まりを起こしにくいです。植えてから、植え替えまでも余裕があります。
○ 土がたくさん入るので、水やりの間隔があけやすいです。特に夏場などの水切れの心配が少ないのも嬉しいです。
デメリット
× 素焼き鉢などの場合は、どうしても重くなります。プラスチックなどの材質でも、土が入ると相当の重さになるので移動や、植え替えなどが大変です。
× サイズに応じて価格が高くなります。用土もたくさん必要です。

小さい鉢

メリット
○ 省スペースで楽しめます。コンパクトで可愛らしく育てることができます。
○ 軽く、移動が楽。植え替えも行いやすいです。ベランダなどの重量制限などの心配も少ないでしょう。
○ 土が少なくてすみます。比較的安価です。
デメリット
× 急激に水ぎれしやすいです。こまめなチェックが必要で、ほったらかしにはできません。
× 根詰まりしやすくなります。収量が少なかったり、本来の育ちかたになりにくいこともあります。

目的によって変わるサイズ

また、目的によっても使う鉢のサイズが違って来ます。大きく育ててしっかり収穫したいバジルのようなハーブはなるべく大きい鉢のほうが良いでしょう。また、横長のプランターに何株か植えるのも良いと思います。

大きいサイズと小さいサイズの鉢でバジルの育ちかた

上の写真は、ページ上部の写真のものと同じスイートバジルです。植えてからほぼひと月後ですが、鉢のサイズでずいぶん成長後の大きさが異なっています。

一方で、観賞用として可愛らしく育てたい種類、たとえば小さくまとまりやすいブルーボーイローズマリーなどは、大きい鉢でなく、小さめの鉢でコンパクトにまとめたほうがその魅力が楽しめます。

同じ種類でも目的によって鉢の選び方が違うこともあります。匍匐性のタイムはグラウンドカバーとして使うならばもちろん地植えで育てますが、花を楽しむのなら5号鉢ぐらいの鉢でも十分楽しめます。

ハーブを育てるのが上手になって来たら、小さめに育てることもできるようになります。大きくするほうが実は簡単で、小さく育てるほうが実は難しいのです。

また、寄せ植えの場合はさらに難しいです。組み合わせる種類や数にもよりますし、成長する時期や大きくなった時のサイズを予測する必要もあります。「植え込んで出来上がり!」の寄せ植えならともかく、長く育てようと思う場合にはしっかり考える必要があります。どうしても分からなければ、本ページの一番下のリンクからお問い合わせください。

鉢のサイズを変えてみると

イメージが掴みやすいように、同じ種類のハーブ(マジョルカピンクローズマリー・9cmポット苗)を、鉢のサイズを変えて植えてみました。

異なる鉢のサイズ

ずいぶん雰囲気が違うと思います。

一番左の4号鉢ですと、見た目はとてもしっくり来ます。ただ、しばらくはこれで大丈夫ですが、おそらく数ヶ月から半年すると根が詰まって来て、葉が茶色くなってくる可能性も高いです。また、株のサイズも現在の1.5倍ぐらいで止まってしまうと思われます。いずれはもう少し大きな鉢に植えかえる必要が出てくるでしょう。水やりも注意が必要です。余り水を吸わないローズマリーでも、真夏はよく見ていないと、急激に乾燥してダウンする恐れもあります。

左から二つ目の5号鉢は、今後一年ぐらいは大丈夫ですし、その後も上手に剪定したり、土を入れ替えることでこの鉢のままで育てることもできるでしょう。同じサイズの鉢に植え替えするにはのページも参考になさってください。

サイズ的に一番お手軽なのは6号鉢です。植えたてはやや鉢に対して苗が小さく感じてしまいますが、その後の株も大きくなりやすいですし、収穫用、鑑賞用としても十分なサイズが期待できます。また、水やりの点でも、余り心配しなくて良い量の土が入ります。

一番右の8号鉢は、さすがに植えたてはとても寂しい感じですね。でも、水やりを楽にしたいとか、植え替えが面倒・・・という方にはおすすめです。ただ、これぐらいのサイズになると、ちょっと重たくなって来ます。プラスチック製など、軽い素材のものが良いかもしれません。

鉢サイズに迷ったら

当店のホームページでは苗の説明欄の下部におすすめの鉢サイズが表示してありますので目安にされると良いでしょう。

おすすめの鉢のサイズ

とにかく、迷った時の基本は「大は小を兼ねる」。特に初心者の場合は、きもち大きめの鉢を選ぶようにすれば間違いありません。

鉢の高さ

ここまで、主に鉢の直径でサイズを考えて来ましたが、鉢の高さ(深さ)もまた大切なポイントです。

鉢の高さについては色々な考え方があるうえ、育てる人によってもいろいろなノウハウに基づいた栽培方法があります。当店では、ラベンダーは深めの鉢をお勧めしていますが、「浅鉢が一番良く育つ」という考え方で、上手に育てておられるかたもいらっしゃいます。ただ、栽培初心者の方は、土の量が多いという意味で深鉢をお勧めしています。

また、分かりやすい判断方法として、上に良く伸びるハーブなら深めの鉢、草丈が低いものは浅い鉢と考えるのも良いでしょう。

たとえば、立性のタイムなら、深い鉢で。匍匐性のクリーピングタイムなら浅い鉢でと言った具合です。

土の量

鉢のサイズによって、必要な用土の量も異なってきます。詳しくは鉢のサイズと土の量をご覧ください。

初めてのハーブ鉢植えセット

鉢のサイズにぴったりの土をセットにした、初めてのハーブ鉢植えセットもご用意しております。

その他のコツ

また、スタートは4号鉢で、その後5号、6号・・・と徐々に大きくしていく方法もあります。この方法は、「根が丈夫に育ちやすい」とも言われますが、置くスペースを活かしつつ、万一枯れたときにも、土や鉢を無駄にしにくいという意味でもおすすめです。


いかがでしたでしょうか。もし、まだ良く分からないことがあるという方のためには初心者の方専用ホットラインをご準備いたしております。ご質問等お気軽にお寄せください。

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