レモングラスの鉢上げ

レモングラスの防寒

暖かい地域では地植えで越冬できるレモングラスも寒冷地では防寒したり、鉢上げして屋内や軒下で越冬させる必要があります。

もちろん、最初から鉢植えで育てていれば問題ないのですが、大きく育ててたくさん収穫したい場合、地植えで育てている方も多いことでしょう。その場合、秋に鉢上げする作業を行うことになります。

例えばここ松江市は、レモングラスがギリギリ越冬ができるぐらいの寒さです。そのため、日当たりや風当たりなどの環境によって越えたり越えなかったりします。

冬のレモングラス

冬、当店圃場で寒さに耐えるレモングラス。株が小さめだったこともあり、この後枯れました。

市内のあるお客様は「なにもしないで畑で毎年冬を越えている」とおっしゃる一方、別のお客様は、「地植えでは何度やっても枯れてしまうのでかならず鉢上げしています」と言う方もいらっしゃいます。

当店の畑の場合は、寒さが穏やかな冬ならば稀に越えることがありますが、上に厚くワラをかぶせるなどしても寒さでダウンしてしまうこともよくあります。

確実に春を迎えさせるならきちんと掘り上げて防寒するのが安心です。

また、掘り上げと同時に、夏の間に大きく育ったレモングラスを株分けすることもできます。株が大きすぎて鉢に入らない場合や、数を増やしたい場合も有効です。

とくに株分けをする場合は、その後のことも考えて、あまり寒くならないうちに行うのが良いでしょう。株分けについては次回「レモングラスの株分け」で詳しく説明します。

掘り上げずに越冬させる場合

冬、それほど寒さが厳しくない地域では、掘り上げずに越冬できる場所もあります。例えば山陽の瀬戸内沿岸の地域などでは特に何もせずに越冬できたという報告をいただいています。

もちろん、株の充実度にもよりますので、秋植えたばかりのものなどは、きちんと防寒対策していただくとよいでしょう。

掘り上げずに防寒させる場合は、ハーブの防寒・地植え編(その1)を参照してみてください。

レモングラスの掘り上げ

秋のレモングラス

写真は今年の5月に地植えしたレモングラスです。株元をマルチしたこともあり、夏の間順調に育ちました。

レモングラスを剪定

レモングラスの剪定

まず、作業がしやすいように、葉を剪定します。鉢上げや株分けをしても、寒くなるといずれ傷みますので株元から10~15cmぐらいのところで剪定すれば良いでしょう(なお、収穫するならばあまり寒くなってからよりもまだ暑さが残るぐらいの頃が香りの面でもおすすめです)。

レモングラスの周りを掘る

レモングラスの掘り上げ

次にスコップでレモングラスの周りを深く掘ります。根をざっくり切るように思い切って掘りましょう。

レモングラスの掘り上げ

レモングラスの周りを一周するように掘ります。

レモングラスの掘り上げ レモングラスの掘り上げ レモングラスの掘り上げ

周囲をぐるっと掘ったら、よいしょっと掘り上げます。

レモングラスの根

掘り上げるとこんな感じです。レモングラスの細い根がたくさん出ています。

このまま大きめの鉢に植え替えたり、必要ならば株分けを行います。

レモングラスの鉢上げ

今回の目的はレモングラスを越冬させるだけなので、3株のレモングラスを大きめの鉢にまとめて植え込んでみることにします。

鉢について

鉢と土

今回用意したのはかなり大型の、直径が80cmほどのプランターです。たまたま手元にあったのでこれを使いましたが、土を入れると一人ではとても持ち運べない重さになります。実際にはもう少し手頃なサイズのものが取り扱いやすいと思います。一方、寒さから根を保護することを考えるとあまり小さい鉢はお勧めできません。

冬のあいだ暖かい室内で観葉植物的に育てる場合などは一株植えにして、鉢も、デザイン的に優れたものが良いかもしれません。

鉢上げの用土について

また、使う用土ですが、越冬させるだけならそれほど上等な土を使わなくても大丈夫です(もちろん使うことができればいうことはありません)。極端に劣化していなければ使い古しの土やお庭の土、畑の土などでも大丈夫です。今回は鉢の植え替えをしたときなどに出た土を使いました。

鉢上げ方法

土を入れる

鉢に土を入れる

まずは鉢の底に土を入れます。春までの短期間ですので鉢底石はなくても大丈夫です。

株を入れてみて深さを調整

試しに株を入れる

少し入れたら掘り上げたレモングラスを入れてみて土の量を調整します。普通に植えるときよりは株が深い位置に来る方が良いでしょう(後述)。

目安のライン

今回完成時の土の高さ。

こういったプラスチックの鉢には、土を入れる目安のラインが付いていることがおおいものです。普通に植えるときはこのラインあたりまで土を入れますが、それよりも低いほうが良いでしょう。特に風当たりの強い軒下に置く場合などは深めに植えたほうが風で傷みにくいので安心です。もちろん、鉢が浅い場合はこの限りではありません。

土を加える

株を入れる

おおよその深さが決まったら、全ての株を入れ、周りに土を入れていきます。

土を入れる

水やり

水やり

たっぷり水を与えて完成です。

置き場所について

さて、鉢上げしたレモングラスの置き場所は、環境にもよりますが、マイナス5度以下に頻繁になるような地域なら室内が安心です。最低気温が0度前後程度の地域なら、軒下でも越冬できると思いますが強い風が当たる場所は避けてください。何れにしても初めて越冬を試す場合は慎重に。

まとめ

今回の反省点ですが、水を少し与えただけでものすごく重くて大人二人でも移動させるのが精一杯だったことです。可能ならば越冬させる場所で作業をした方が楽だと思います。

また、これらの作業は、冬が迫ってから行うよりも、秋のほうが作業が行いやすいですし、株のためにも良いと思います。

レモングラスの仲間の、シトロネラグラスパルマローザ、また、ベチバーなども同様に鉢上げして越冬させると良いでしょう。

次回、「レモングラスの株分け」では、掘り上げたレモングラスの株分けをして株を増やす方法を紹介いたします。お楽しみに。


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